鼻曲山

5月18日、群馬県と長野県国境にそびえる鼻曲山(はなまがりやま)に行きました。

この山はその名の通り、鼻が曲がったような特異な山容で知られ、標高1655mですが山頂からの眺望が浅間山をはじめとして素晴らしく360°の大パノラマを堪能することができます。

ただ惜しいのはそのネーミング。

いい山だと思うのですがその名のせいか、今一つ知名度がないようです。

朝6時ごろマイカーで家を出発して上信越の松井田妙義ICで降り、県道の終点までおよそ20キロ進んだ先が「霧積温泉駐車場」となっており、そこから「鼻曲山」を目指すこととします。

「霧積温泉」(きりづみおんせん)といっても今は「金湯館」(きんとうかん)だけとなっており、駐車場から山道を30分かけて歩いて登ることとなります。

「霧積温泉駐車場」に着いたのは8時半ごろ。

とまっている車は10台前後でしょうか。

2台のプリウスの間にもう1台とめることとします。

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ここから登ります。

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道は整備されていますがこの時期、虫が多いです。

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看板にある通り、歩くこと30分で「金湯館」の案内標識と「鼻曲山」の案内標識が現れますが、まずは「鼻曲山」の方へ向かいます。

「金湯館」は横道にそってさらに300mとあります。

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日帰り入浴も可とありますので「金湯館」は帰りに寄らさせていただきます。

途中、野生のサルがこちらを見下ろして何か叫んでいましたが、サルの言葉がわからないのでここは無視することにします。

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カメラをかまえても逃げようともしません。

また、あちこちに高山植物も顔を出していました。

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全体的に気持ちのよい山歩きを堪能できますが、やはりメジャーではないためか案内表示板も少なく、登山道も整備されていない個所がところどころあるようです。

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しかしながら急な斜面にはロープが張ってあったり、わかりにくい分岐点に木の枝でふさいで進む方向を示していたりと素人が登っても危険な個所や迷ってしまうところはないようでした。

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頂上間近になると鼻が曲がったような特異な山容を目の当たりにでき、最後の急登を経た後頂上にたどり着きます。

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頂上の眺めはそれほどではないのですが、その近くの「小天狗」からの眺めは素晴らしかったです。

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特に浅間山を間近に見ることができるので眺望は申し分ありません。

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まだ活火山のようで、ときおり煙が頂上付近からもくもく出ているのが確認できます。

登る途中で抜き去った老夫婦とも頂上で再開し、労を労いました。

話を伺うと昨晩、「金湯館」で宿泊してから登ってきたということですが、なかなかいい温泉だということです。

帰りは迂回ルートもあるようですが、ルートが長くなってしまうのと「金湯館」に興味を抱いたこともあってそのまま来た道を引き返すことにしました。

ブナの木と空とのコントラスト。

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「金湯館」は下山の途中、少し横道にそれたところにあるのですが、ただ一軒ポツンとあるだけなのでまさに秘境の温泉といってもいいでしょう。

このように、なかなか味な雰囲気を醸し出しています。

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もちろん携帯の電波も届きません。

そこのおかみさんに料金を尋ねると日帰りで700円とのこと。

温泉にはすでに若い男の人が2人入っていましたが、話を伺うと登山の途中ではなく、この温泉に入るためだけに来たとのこと。

しかしながら、まさか駐車場から30分以上も山の中を登っていかなくてはならないとは露にも思っていなかったらしい。

確かに駐車場までの県道にしても、ときおり避難場所が設けられているとはいえ車1台やっと通れるような道なので十分、秘境の様相を呈していました。

一般の宿泊者や入浴にくる人たちにとってはまさに、とんでもないといったところでしょうか。

あとから調べてみるとやはりここは由緒のある温泉であることがわかりました。

作家の「森村誠一」の書いた小説「人間の証明」の舞台になっているとか。

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母さん僕のあの帽子どうしたでせうね。

ええ、夏碓氷から霧積へ行く道で落としたあの麦わら帽子ですよ。

僕はあの時ずいぶん悔しかった。

だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。

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映画のシーンがよみがえります。

湯加減は少しぬるかったものの、いいお湯でした。

今度は先ほどの老夫婦のように前の日からの泊りできても面白いかもしれません。

また、仕事に疲れた時などには携帯にもかかってこないのでうってつけかもしれませんね。

さて、帰りの高速はやや渋滞していましたので、予定より1時間遅れで帰宅。

今日はなかなかいい掘り出し物に出会えたような気分を味わえました。

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